☆読書感想 リアル人生ゲーム完全攻略本
著 架神恭介 他一名 作家
2017
登場人物を神に見立て、この世界に対する考え方を皮肉的に捉え、綴った一冊。
なかなか面白い解釈の本だった。
総じて言えば、人生とは正しくクソゲーということである。間違いなく。
まず、人生における目的とはなんなのか?
人が誰しも考える謎であるが、明確な答えはない。
結果的には、主観的考えを持つことでしか答えられないわけだが、この本では幸福点を最大化することにあると言っている。
要はハッピースコアアタックだ。
つまり、幸福になればなるほど人生における勝者だということだ。
ただし、幸福という概念は人により異なる。
金、愛、美貌、コレクション。
遺伝であるとか環境といった、まさにランダム要素が大きく影響するわけだ。
こんなものはクソゲー以外になんと呼べばいいのだろう。
まあ、要はこの世界は世界を作った神さま(本では銀河を作りし神が上司、人類を作りし神=イエスが部下かつ主人公としている)の気まぐれでしかないということだ。
では私にとっての幸福点基準を書いてみよう。
・金 倍率0.5
・食 倍率1.0
・睡眠 倍率1.5
・アニメ 倍率1.0
・読書 倍率0.7
・特撮 倍率0.8
・ゲーム 倍率0.9
・エロ 倍率1.0
基準がエンタメに偏っている。
ここに加えたいのは運動だ。
やはり運動を継続しないと身体は死に近づくだけだ。
そして、この本では人生における重要局面は死に際であるとしている。
つまり、終わり良ければすべて良しな訳だが、
死に際に幸福を感じられない状態は苦しいものだという。
大抵の人間は残りの人生が少なくなると活動量が低下し、思うようなことができなくなる。
そのような状況で、ただ何気なく時間を浪費するというのは虚無感を感じさせるものだろう。
そういう観点からも健康を維持することは若い時から意識すべきことだ。
また、本の後半では攻略本と称して、これからの人生を歩む者へアドバイスを挙げている。
そこで注目すべき点は災害や経済ショックの周期性である。
例えば、日本では頻繁に災害(特に地震は世界に類を見ないレベルで発生する)は平時生活している人間でも意識することが多い。
ほぼ10年に一度というレベルで巨大地震に見舞われている。
しかも、災害に巻き込まれたものは絶望的被害を受けることがあり、これに対する完璧な備えは存在しない感じもする。
これも人生をゲームに例えるなら、たった一度で財産を失うのだから、クソゲーという評価の元となるわけだ。
しかし、単に地震による影響においても、損をする一方、利益を得る人間もいるのだ。
これは防災関連企業であるとか、保険屋といった類であろう。
つまりは、どの選択をするかは自己責任であるので、後悔はしないようにすべきということである。
私の人生は2070年ごろまでであろう。
そこにはどんな世界が待っているのだろうか。
中国は今の勢いを失い、インドやアフリカが、先進国の仲間入りをしているのだろうか。
そのときまでに戦争は起こらずに平時が続いているのだろうか。
そうそう想像がつかないが、想像する価値はある。
明確なビジョンを創造し、この世界をハッピーエンドでクリアしてやる。