生産性の向上は誰だってできる

もう会社を辞めてからかなりの時間が経った。

先日、住民税を支払ってきたが、なんと¥120,000だ。

会社に入っていると会社が支払っているから知らない人間の方が多いだろうが、自営業にとっては大きな痛手だろう。

また、国民年金が¥16,000、国民健康保険が¥24,000、合わせて¥40,000を毎月支払う。

年間で60万は苦しい。まるで身体の一部に羽が生えてどこかへ飛んで行ってしまった感じだ。

 

それはさておき、今読んでいるネスレ日本社長の本から思ったことを述べたい。(感想は別途まとめる)

この本で生産性の話が出た。

ネスレは上主導で、全体の生産性向上を実現している。

営業は無駄が多いから支店減らして直行直帰させるのは素晴らしい。

また、残業がボーナス査定に不利に働くよう制度を作っているのも他の生温い会社とは比べようのないイノベーションの意識を感じる。

 

ここで振り返って、自分を見てみたい。

私は誰よりも生産性を意識していた人間だ。周りがペチャクチャお喋りしているのを側から見て早よ帰れアホとよく感じていた。

(女性に関してはそのようなコミュニケーションが人間関係に重要な要素であるので、一概には否定しない。)

自分はやることはないと感じたら、すぐに帰っていた。それでも最後の一人になることが多かったのは、突き詰めるべきものがあるとき、放ってはおけない性分だからだ。

エンジニアリングの世界では、一度の設計が以降の30年を作り上げてしまうことがある。

最初の設計が疎かだと、以降その設計に従わなければならない。

だからこそ、どうしてもよく考えて作らざるを得ない。

私の場合は、そんな状況に置かれることが多かった。

 

それでも生産性を上げて、利益を生み出したかった。身体の負担ならないよう、早く切り上げたかった。

どんな仕事だって、朝から晩まで休憩なしに12時過ぎまでやっていたらおかしくなるだろう。

胃に激痛が走ることもあるし、目の前のPCをぶん投げて、壊してやりたい衝動だって、生まれてくる。

それを我慢してやり遂げたのだから、やはり私は常軌を逸した逸材なのだ。

 

そういう自分がよく感じていたのが、仕事外の無駄な作業だ。

一番はメールだ。

よく個人PCでメールソフトを立ち上げたままの人間がいる。新しいメール通知が気になってしょうがない人間だ。

多分LINEでも通知にすぐ返信したがる人間だろう。

そんなメールにいちいち構っていて、どうして仕事ができるのだろうか。

仕事中に仕事外の要件が入れば、当然集中はそこで途切れる。

そんなことないよ、と言っている人間は間違いなく仕事に集中したことのない人間だ。

私はソフトで回路作成中に、そんな中断が嫌でたまらなく感じていた。

だからメールは朝昼夕の三回、時間にしてそれぞれ30分以内に返信するように規制した。

これで、やるべき作業のスピードが向上したのは言うまでもない。

 

日頃、様々な作業に追われると、段々やるべきこととそうでないことの切り分けができなくなってしまいがちだ。

そういう時は一旦作業を止めてみるべきだ。

すると、どこに問題があるか、明瞭になる。

 

人生も同じだ。

ある一つの仕事に集中しすぎると、周りが見えなくなってしまう。

私はそこで会社を辞める選択を取った。

これは決して逃げではないし、辞めることで自分の人生を見直す機会になると思ったからだ。

また、自分のポテンシャルをさらに高める成長に繋がると確信しているからだ。

怖いものなどない。失うものなんてない。

今から5年後の私も10年後の私も、必ず好転した状況を面白おかしく感じているのである。