☆読書感想 生き方
2004
前々から一度読んでみたいと思っていた、著書。
本を読んだ感想としては稲盛という人間は非常に仏教思考な人間であるということだ。
60過ぎてから仏門に入ったというのも面白いが、そもそもそう言う思考を持っていたのだろう。
印象に残ったこととしては、この人に限らないが、会社や個人における成功を導くには明確な目標を持つことだということ。
中でも、そのビジョンがカラーで見えるくらい強力なものでなければならないというのはなるほど感心させられた。
やはり、情熱に勝る要因はないようだ。
また、これは著者の経営時代背景にもよるが、1日1日に誠実に取り組むことが大事ということも言っていた。
日本人的だし、毎日を修行と見做す極めて仏教的思考だ。
言わずもがな、京セラやKDDI、またJAL再生などの経歴を見ても非常に経営者として、卓越している。
ただ個人的には現代にその思考がマッチするのかという部分に疑問が残る。
何しろどれだけ大きな会社でも不正やリストラ騒ぎはあるわけだ。
終身雇用制度はこれから労働人口が減少する中でも厄介者になることは間違いない。
この思考をもとに働いてきた人間は保守的で、変化を嫌う性格だろうから、当たり前のような昇給昇進が成り立たなくなったらどう出るのだろうか。
今後の動向に注目したい。