☆読書感想 最高の働きがいの創り方

著  三村真宗  外資系ITベンダー社長

2018

 

コンカーというSAP子会社の日本法人社長が書いた本。

 

本の中でよくプレゼンで見る図形式のビジョンが出てきたが、多分これは著者の経験上、その方がわかりやすいと思ってのことだろう。

これはコンサルタント系の会社でよくある方式で、図解することで(視覚的に捉えることで)情報を受け入れやすくしたいが為にやっていることだ。

 

ということで本の内容についてだが、まず感じたのは経営者として会社を良くしたいという意思だ。

立ち上げ当初、採用に明確な基準を設けていなかったことで、社内環境が悪化し、怒声が飛び交う状況を作ってしまったと反省している。

この後、採用を厳選(応募に対する採用率2.7%)することや社内制度の充実により働きがいのある会社を作り上げた。

厳選の基準として、会社の文化に適合しているかどうかを最重視している。

文化に適合する人間は社内の文化を保ち、悪化させることがないということだ。

なるほど納得。その通りだ。

 

会社を成長させるにあたっては明確な実現目標を掲げることに重点を置いている。

その際、他の会社とは違い、従業員全員の意思を取り込もうという姿勢で年一の全体ミーティングをやっている。

また、部署間の隔たりをなくすためのランチ制度や新入社員のカバー制度などで社員のコミュニケーションを改善している。

 

今の人員が全体で170名のようだが、制度をうまく活用できるのは現状までだろう。

余りに人員が増えると制度が破綻し始める。

ただ今の状況では今後も成長を続けそうな雰囲気の会社だった。

 

この会社だけでなく、最近の外資系会社は社員に成長をもたらす制度や環境が整いつつある気がする。逆に日系企業にはそのようなポジティブな行動や環境作りは見受けられない。

 

日本の企業も技術やサービスで他国に負けない強い商材があるのだから、社内環境を見直し、再発展の道を模索していくべきだ。

現状維持だけではこの先生き残れない。