☆読書感想 IT業界の働き方改革
著 高瀬俊誠 it人材会社社長
2018
it業界の腐った土壌と今後日本が進むべき、IT業界の在り方について述べている。
まず、わかりきったことだが、IT業界での客先常駐は本来あるべき派遣方法ではない。
日本ではSES(システムエンジニアリングサービス)という呼称で、この方法が至る所に蔓延っている。
この方法は当たり前だが、会社内に技術力が蓄積されない。
普段客のところでやりとりしている無数の社員が、自らの会社に対して、いかなる資産となるのだろうか。
これは会社に金を落とし続けるだけで、まさしく奴隷なのだ。
こんな業態で、本人のモチベーションが上がるはずもない。
この業界はさらに多重下請けの構造を作り続けたため、社員の給与は他国に比べて、安価に留まってしまった。
下にいればいるほど、上の会社による中抜きが行われるのだから当然である。
しかし、2015年、派遣法改正が行われた。
客先常駐のような特定派遣は禁止された。
(時期を規定した派遣は一般派遣とされ、これは従来通り可能)
また、2018年10月以降、資産として2000万円を所有(実際は細かい条件があるが)していることが派遣業を継続して行える条件となった。
この条件によって、多数の会社が星となる。
2万社以上あるうちの5000近くがこれで消滅する。
消滅が鍵となり、溢れたIT人材はまだ存在する中規模、大規模企業に集まり、競争力が上がるはずだ。
だから、IT業界の給与も上がり、本来高給であるはずの業界に徐々に近づくと筆者は述べている。
私はこの意見に賛成はできない。日本の企業の競争力を上がるとは一概に言えないからだ。
少なくとも現状、会社の大半の経営者は50以上を超えた老獪ばかりだ。これではいかに新しい人材を確保しても、イノベーションが生まれない。
そういった年寄りの中でも仕事に対する意識のないゴミを分別する必要がある。
ゴミはしっかりゴミ箱に入れ、整理してからでなければ会社は成長しないだろう。
そういったゴミは若者に目に付きやすい、ただ座っているだけで、自分たちの倍近い給与をもらうのだ。
士気はあがらない。
しかし、日本がこれから訪れる第4次産業改革で、生き残るためには、やるしかない。
未来を信じ、戦えリーマン戦士。