☆読書感想 生きるのが面倒くさい人
著 岡田尊司 自クリニック院長
2016
著者の大学時代の自堕落な生活からさまざまな精神的疾患の症例と回復、また回避性パーソナリティに関してまとめられた一冊。
回避性パーソナリティとは、
社会的抑制、不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式を表す。
この本を読んでいて、余りにも自分の性格に一致していたので、自分の性格が疾患であると断定できた。
それは、激しい人見知り、恥に対する敏感性、他者に対する無関心さ、しかし人には愛されたい部分もある、と言った面である。
この症状はいつから始まったのかとよく思案することがあり、昔の資料を読んだことがあった。
その中で小学校の卒アルの中に興味深い一文がある。
「僕は人に頼る人間ではなく、頼られる人間になりたい。」
これはまさしく回避性パーソナリティを示す症状である。
つまり、小学校の時点で発症していたのだ。
思えば幼稚園の頃は友達のことを気にするだとか、一緒にいるのが嫌だと感じたことはなかった。
しかし、小学校3年になるとき、わたしは転校を経験している。
これが最も自分の性格に影響を及ぼしていたと考えられる。
元々引っ込み思案な所はあったが、この頃から人前で発言することに非常に緊張を感じてしまい、笑われてしまうことを恐れていた。
両親も共働きで、塾やスポーツ教室に通うことが多く、普段は祖父母の家で放課後を過ごしていた。
また、余り親に何かを求めることがなかった気がする。
だから、友達と遊ぶ機会はほぼ0で、その後の中高大の生活においても友達ができることはあったが、そこで終わりでその後も継続することがなかった。
(大学に関してはまだ多少交流があるが、自分から会いたいと言って誘ったことは一度もない。)
学生の頃は勉強等の生活で余り気にしたことはなかったが、働きだしてからは、自分が誰も誘ったことがないことに気づき、自分がおかしいのではないかと感じていた。
しかし、この本によるとそれも子供の頃のコミュニケーション発達障害によって回避性の症状が生まれたからだとされている。
回避性は現代病とも言えるほど、急激にその患者が増えつつあるとされている。
結婚する成人が減ったり、時期が遅れて晩婚化が進んだりしているのもこの症状が原因とも考えられている。
つまり、告白によって相手に嫌われることを余計に思い込んでしまうということだ。
わたしは来年で30だが、誰かを好きになったことはあっても、告白したことがない。
学生自体、全くと言っていいほど異性とは疎遠だった。
でも、結婚が不要だとは思っていない。
結婚して子供ができて、新しい生活ができれば、人はさらに成長できるのだから。
現れろ!我が道を示す未来回路!